Q.年金生活になってからの生活に不安があります。貯金が十分ないし、退職後、収入ゼロの期間があるのも心配です。そこで、年金でお金が借りれると聞きましたが、どこで借りれますか?
A.年金でお金を借りるということは、年金を担保にしてお金を借りるってことだよね。これは、「年金で生活している人がカードローンを借りる」っていう意味ではないので、その点ごっちゃにしないようにね。カードローンは無担保の融資だから、金利もその分高い。でも、手続きが簡単で手軽に利用できるという利点がある。ただし、条件もあるから気をつけよう。
年金生活の人がカードローンを借りる場合には、年金以外にも何か収入がないと、消費者金融では借りれないんだ。一方で、銀行の中には、年金生活者向けのカードローンがある。もしもカードローンを利用するならば、こちらを利用した方が審査には通りやすいはずだ。
その場合は、この銀行を年金受取の口座に使っていると、金利が安くなる場合もあるから、出来ればこのサービスを利用したいよね。年金の手続きをする際には、その銀行の年金生活者向けカードローンのことも必ず確認しておこう。
さて、年金を担保にしてお金を借りる場合は、カードローンとは違って、いろんな業者から借りれるという訳にはいかない。年金担保で貸付ができるのは、独立行政法人福祉医療機構(WAM)だけ。このWAMが、各銀行を窓口にしてこの融資事業を行っているので、申込みをするのは銀行の窓口だ。
もしも、一般の業者が、年金を担保にしてお金を貸しているとしたら、これは違反行為になる。そのような業者と接触を持ってしまったとしても、年金を担保に融資してくれることは期待できず、逆にお金を騙しとられてしまうので要注意だ。悪質業者は、公的な機関や団体を装うこともあるので、大切な年金証書や預金通帳などをこのような業者に預けないよう、WAMも注意を呼びかけている。
公的な機関は、絶対に向こうから勧誘をしてこないのが特徴だと言えるよね。公式な機関から年金を担保にお金を借りようと思ったら、必ずこちらから銀行へ行って手続きをしなくてはならない。これを億劫がったり、手続きに不安に感じていたりすると、代理で手続きをしてあげようという悪質業者の勧誘に引っかかってしまうから、大切な自分の年金のことで、誰かに頼ろうとしないことも大切だね。
年金担保の借入は、カードローンとは違ってその都度一度限りの借入になる。そのため、その返済が終わらない間は、追加の借入はできないし、その時にはまた再度審査が必要になるんだ。また、返済は自分で随時行うのではなく、年金の天引きという形になる。連帯保証人が必要だったり、審査に数週間を要するなど、カードローンの手軽さと比べれば、色々とややこしい手続きがあるんだが、その分金利が安いというのが最大の特徴だ。
お金を借りるとき、手続きが面倒だと、なかなか手が出し難いところがある。多少金利が高くても、今すぐ借りれるんならこっちの方がいいやと思う人は少なくない。そのような人は、やはり多少金利が高くても、使いやすく便利なカードローンの方がいいと思うかもしれないね。とはいえ、年金担保融資は年利1.6%で、カードローンと比べれば低金利とはいっても、実は返済で生活が苦しくなり、その結果生活保護を申請する人もいるようだ。後で生活に困ることのないよう、カードローンも年金担保融資も、十分に計画した上で利用したいものだね。
年金でお金借りられるローンがあるって本当ですか?
定年退職もし、特に収入になるようなこともないので、現在は年金暮らし。そんな人でも、時にはちょっとまとまったお金が必要になることもあるでしょう。そんな時に利用できるのが、年金を担保とした借入です。
「へ?年金って、担保にしたり、第三者に権利を譲渡したりしたらいけないんじゃないんですか?」
確かにそのとおりです。国によって、法律で禁止とされています。
ただ、ひとつだけ例外があります。それが独立行政法人福祉医療機構が設ける《年金担保ローン》というものです。これだけが、合法的に認められた年金を利用した借入です。
融資限度枠は10万円〜250万円までで、1万円単位で設定でき、金利は1.6%と低く設定されています。返済は偶数月に受け取ることになっている年金より、下限1万円として、指定した1万円単位の支払額で返済へと充てられることになります。1回で支給される年金の半分以下で設定されるようになっているので、年金を担保にした=年金をまったく受給することができないというわけもありません。
ちなみに、この借入が臨時生活費としての利用の場合は100万円以内での借入となります。対象となるのは、国民年金(厚生年金保険、船員保険、老齢福祉年金を除く)や労働災害補償保険を受けている人です。
「でも、これってどこで申し込めるんでしょう?特別な機関とかあるんですか?」いいえ、専門的に取り扱っているような機関はありません。
普段から年金の受け取りに利用している銀行や信金などであれば、大抵は取り扱いしています。ですから、必要だと感じた場合には、その年金の受け取りをしているところで気軽に相談をしてみて下さい。